Basic Skills for Ethnography
Ethnography Labでは、エスノグラフィや質的研究に基づく卒業論文や修士論文を書くためには、以下の五つの技能が必要だと考えています。
人間科学研究科をはじめとする多くの大学・大学院では、これらの五つの技能(Reading, Literature Review, Fieldwork, Data Analysis, Writing)を教員がゼミを通した個人指導を通して学生に伝達してきました。
Ethnography Labは、こうした教員たちの暗黙知を集約し、教材や指導計画、文献のような共有可能な形に変換すること、それらに基づいて新たな授業を開発することを目指しています。
これによって学生たちは、授業を通してRLFAWの五つの技能を体系的に学べるようになります。また、教員は基礎技能の教育負担から解放され、専門分野に集中した個人指導をすることが可能になります。
現在まで、FAWの三技能の授業化を完了しました。今後は、RとLの技能について新たな授業化を目指して試行を続けていきます。
新たな授業開発に際して、Ethnography Labでは次の三段階をふむ方法を採用しています。
まず、社会学・人間学系内の人類学研究室において、福岡、白川が新たな指導方法の開発と試行を行います。
ここでは、システマチックな個人指導と学生からのフィードバックの収集を通して、学生の課題はどのようなものなのか、その解決にはどのようなアプローチが有効なのかを探っていきます。
このパイロットプロジェクトの成果をEthnography Labに参加する教員が共有・検討し、新たな教材と授業のプロトタイプを開発します。このプロトタイプを森田と高谷が社会学と人類学にまたがる合同ゼミでテストします。
合同ゼミでの学生からのフィードバックを受けて修正した新教材は、新たな授業科目もしくは公開セミナーとして研究科全体に提供します。